[本]ロングテールの法則

80対20の法則を覆す ロングテールの法則

80対20の法則を覆す ロングテールの法則

マーケティングで売上を上げるためのシンプルな理屈

見込み客が無限大にいる市場なら、売り方は問題ではない。単に商品の供給能力を高めるだけですむのだ。問題は、既にそのような市場は少なくとも欧米や日本にはほとんど存在しなくなったということである。
見込み客が限定されている市場では、まず見込み客を見つけることができなければ、営業マンをどんなに増やしたところでまったく意味がない。単に顧客の取り合いが起きるだけである。

顧客から見れば、「リアル店舗」も「ネット店舗」も同じなのだ、ということを企業側もよく理解しておかなければならない。

しかし、現実の多くのサービスはそうではなく、リアル店舗では至れり尽くせりだったサービスが、ネット店舗ではまた一見さんに逆戻りだ。こんあショップが現実にはとても多いのである。

リアルとネットを融合して、前述のような顧客から見てちぐはぐなサービスにならないためには、まずはいわゆる「顧客データベースの一元化」が必要になる。リアルとネットで別々に構築されている顧客データベースを統合し、今後の顧客とのやりとりを1つの流れとして追えるようにするためだ。

マーケティングとセールスの分離を進める

マーケティング」とはいうのは「売れる仕組みづくり」だと前に書いた。
もう一つ別のより具体的な表現をするなら、「マーケティング」とは「見込み客を営業マンの前、あるいは店舗に連れてくること」と言ってもいい。CMを打って店舗に来させるのもマーケティングなら、テレアポ絨毯爆撃を行って、見込み客を見つけて営業マンの訪問に結びつけるのもマーケテイングなのである。

ロングテール現象が実際の数値として現れることは、戦略としてはそれほど重要ではない。重要なのは、マーケティングの自動化によって、従来はすういあげられなかったニッチをすくいあげられるという点である。浜崎あゆみの新曲がたとえ売上げの50%を超えようとも、「ロングテールをかき集める」戦略は、確実に総売上の絶対額を上昇させるのだから。
そして、不安定で再現性のないマスマーケティングに頼らない「ロングテール戦略」により、安定的かつ再現可能なマーケティングが可能になるのである。