スポーツ選手なら知っておきたい「からだ」のこと

ランニング方法の解説本で推奨されていたので、図書館に予約を入れておいたもの。

トップアスリートは股関節の外旋を使って走る

みなさんのなかには、地面を蹴って走ると速く走れると思っている人が多いと思います。大半の人がそう思っているかもしれません。本当にそうでしょうか。・・・
カール・ルイス選手の足首は、着地局面で足首が最大に曲がったときに、90度弱の角度でした。いちばん伸びたときは、離地時で110度くらいです。
カール・ルイス選手の場合、足首がいちばん伸びたときの角度から、いちばん曲がったときの角度を引き算すると、約20度という値が出ます。つまり、カール・ルイス選手は、足首を使う角度範囲が、わずか20度なのです。・・・まさに、世界のトップスプリンターは足首で蹴っては走らないのです。

外旋と内旋がペア

空中に浮いた脚が前に出てくるとき、それまで外を向いて外旋していた膝が前を向き、股関節はやや内旋・内転位になります。ここから着地直前に、ふたたび外旋・外転していいきます。つまり、外旋着地と内旋引き上げがペアになっています。

中心軸感覚と二軸感覚

ボールの真横に立ち足をおいて安定して立って蹴るキックでは、動作が一瞬止まってしまいます。しかし、世界のトップ選手の動きは違います。右足で蹴る場合、体重を右足に移動しながら、軸を左足から右足に踏み変えます。つまり、左右の軸を切り換えながら蹴るキックなので、二軸キック(二軸動作、あるいは左右軸動作)と呼んでいます。蹴り足が軸足ともいえるキックです。
二軸感覚でキックする選手は、ボールの真横の位置に立ち足がきたときも、からだ全体を前に移動しながら蹴って、蹴った後、かならずボールを蹴った足に踏み換えます。二軸キック(二軸動作)は、からだ全体の前に出る運動量を足先に集める「押す動作」でもあります。

常歩(なみあし)

空中に浮いて前に出て行く足(遊脚)と同じ側の手が前に出るのではなく、地面についている支持足と同じ側の手が、ともに前に出て行くのです。いま支持足が右足だとすると、右手と右足が前に出る感覚としうのは、右足の膝を抜いて前に送っていく感覚です。着地足側の軸にある手も腰も膝までもが前に出て行く動き、つまり着地側にできた左右いずれかの軸全体を前に進めていく身体運用法が常歩です。・・・本当のなんばとは、体重を乗せた側の足と腕の感覚のことをいうのです。