金融大崩壊「アメリカ金融帝国」の終焉

リスクの不可視化---CDO

債務担保証券CDO)も、本来はサブプライムの住宅ローン証券(MBS)のリスクを軽減するように設計されていたはずです。しかし、世界の投資家がCDOを購入するにあたっては、必ずしもローリスク・ローリターンの投資を目的にしていたわけではありません。リスクヘッジの発想ではないのです。
世界では低金利が続いていて、どこに投資しても儲からない。リスクが高いのはわかっているが、高い利回りの金融商品がほしい。そこで投資会社がその希望にあわせるようにCDOをつくり、格付け会社を呼んできて、自分たちに都合のよいように高い格付けをつけて売り出した、というのが真相なのです。

主役の座を降りるアメリ

1995年から出現した「アメリ投資銀行株式会社」、あるいは「アメリカ金融帝国」は、アメリカにお金を呼び込むために、外国人投資家に対して、
常に高いリターンを得られる証券化商品を提供してきました。住宅バブルがはじけたあと、サブプライムローン関連の証券化商品に代わる、アメリカに投資すれば儲かるというしくみをつくれないとすれば、先述の毎月必要な915億ドルが入ってこなくなり、「アメリ投資銀行株式会社」のモデルは、根底から崩れてしまいます。