日本人の英語

a は名詞につくアクセサリーではない

Last night, I ate a chicken in the backyard.(昨夜、鶏を1羽裏庭で食べた。)
Last night, I ate chicken in the backyard.(昨夜、鶏肉を裏庭で食べた。)

日本の英文法書では"a(an)"の「用法と不使用」を論じるとき「名詞にaがつくかつかないか」あるいは「名詞にa
をつけるかつけないか」の問題として取り上げるのが普通である。ところが、これは非現実的で、とても誤解を招く言い方である。ネイティブ・スピーカーにとって、「名詞にaをつける」という表現は無意味である。英語で話すとき---ものを書くときも、考えるときも---先行して意味的カテゴリーを決めるのは名詞ではなく、aの有無である。そのカテゴリに適切な名詞が選ばれるのはその次である。もし、「つける」で表現すれば、「aに名詞をつける」としかいいようがない。「名詞にaをつける」という考え方は、実際には英語の世界には存在しないからである。