ネットテレビの衝撃 20XX年のコンテンツビジネス

映像に関する放送と通信のゆくえをわかりやすく解説していて、たいへん参考になった。

アジア・アフリカ市場に注目するノキア

調査会社のコムスコアは、「インターネットやモバイル分野は、アメリカやヨーロッパと同じ発展モデルをたどらない地域がある。たとえば、中国はインターネット接続の90%がブロードバンドである」(2009年1月 OnMedia)といっています。
アジア・アフリカ市場は、固定のブロードバンドを飛び越していきなりモバイル・ブロードバンドが発達する可能性を秘めているのです。
ノキアのオリ=ペッカ・カラスヴオCEOは、「世界の75%の人はまだメールアドレスを持っていない」(2010年1月 CES)と語り、途上国市場への進出を強化するという戦略を熱心に話していました。
・・・・・
さらに、カラスヴオCEOは、「途上国ではケータイ端末は持っていても、銀行口座を持っていない人が多い」という指摘をしていました。ノキアは安いケータイを普及させ、ケータイを途上国の人たちの決済プラットフォームにしようとしているのです。

オンライン映像配信プラットフォーム--ブライトコーヴとウーヤラ

インターネットに接続されている機械は、パソコンやケータイ端末などいろいろな種類があり、それぞれ映像を再現するしくみが違います。また、端末に組み込まれているブラウザによって、見られるコンテンツが違います。テレビに放送電波を通じて映像を送り込めばよかった放送と違い、インターネットはいろいろな端末からリクエストが来るので、その分対応が難しいのです。そのほかにも、回線の契約、回線スピードの調整、広告挿入など、いろいろな業務があります。
・・・・・
そこでCDN(Contents Delivery Network)というビジネスが発展しています。彼らは、どんな端末のユーザーでも快適に映像を見られるように通信回線を選んで送るというサービスを提供します。アメリカのアカマイ(Akamai)や日本のJストリームといった企業が有名です。
・・・・・
CDN企業は、全世界にサーバーを設置し、消費者が顧客企業のサイトにアクセスするときに、消費者の近くのサーバーから情報を送る仕事をしています。
・・・・・
さらに最近は、オンライン映像配信プラットフォームといわれるビジネスが成長しています。彼らは、映像ファイルを変換したり、広告挿入するしくみを提供したりするビジネスです。通信回線はCDN企業から買ってメディア企業に提供します。この分野の代表的企業は、アメリカのブライトコーヴや、ウーヤラ(Ooyala)などです。