リボン

ラストのシーン:

「怖くないよ」
リボンに、そして天国のすみれちゃんに答えた。そうだ、私は怖くなんかない。生きるのが、怖くなんかない。だって、二十年以上も会いたかったリボンに、こうしてまた巡り会えたのだもの。遠回りをしたような気になっていたけれど、私にはこれが必要な時間だったのだ。私たちはずっと、握手したまま見つめ合った。目の前のリボンが、じっと私を見つめている。