成長のない社会で、わたしたちはいかに生きていくべきなのか

■資本主義

  • 資本主義にとって絶対必要なエンジンがある。それは、空間である。しかも成熟化していない空間、未完成な空間が必要である。
  • 世界全部が資本主義化して、全員が豊かになるっていうのは、今の近代社会、工業化の枠組みの中ではありえない。原材料を安く仕入れて、工業製品を高く売る。これが工業化社会。近代です。
  • 空間とは、新大陸、西部開拓、アジア、アラブ、アフリカだった。どんどん乗り込んでいって、未開人を教化して、資源は安く取り上げ、製品を高く売りつけるへの進出という流れで来た。

■経済成長

  • A(売上)-B(仕入れ値)=付加価値(名目GDP
  • 有限な空間のなかで安く奪ってきた周辺途上国が経済的に独立していくと、資源ナショナリズムで1970年代までのように安い値段で原油を手に入れられなくなった。
  • A-Bがゼロになったところで成長は終わる。
  • Aの売り上げは、地球に空間(未熟な市場)が無限にあるのであれば、増え続けられる。

■9.11 9.15 3.11は一直線

  • 日本は、アメリカやヨーロッパに先駆けて、「近代の終わり」に入った。
  • 2001年9月11日の同時多発テロ:辺境にあった石油産油国の「未成熟な空間」の側の人たちがアメリカ経済の象徴のウォールストリートの高層ビルに突っ込んだ。
  • 2008年9月15日のリーマンショック:空間のでっちあげ(アメリカ国内の低所得者層になかば無理やり住宅ローンを貸し付けて、サブプライムローンという債権として世界中の金融機関に売りつけていた。アジア、アラブ、アフリカといった辺境・周辺・未熟な空間がなくなったので、無理やりアメリカ国内に空間をつくった。
  • 2011年3月11日の福島第一原発事故原油仕入れ値が高くなったから、原子力という夢のエネルギーを使いましょう、というのが原発政策だった。仕入れ値であるBを下げてまだまだ成長しようという政策だったが、とんでもない失敗で、エネルギー空間をねつ造していたのがばれてしまった。