*[本]まず、日本的人事を変えよ!

ゼロベースで考えるアメリ

「日本では、その場に長くいる人は、必ず新参者とは違った有利な扱いを受ける。多少能力的に劣っていたとしても、あるいは他の人に比べて業績が悪くても、長年いるという事実によって、甘く見てもらえる部分がある。これは会社でも、学校でも同じである。いわゆる先輩として、多くのことで有利な条件が与えられる。
これに反して、アメリカでは、・・・みな横一線に並んで競争することになる。そうでないと、どうも大変な不公平ということになって、大騒ぎされるようだ。」

査定と評価は別物だ!

「部下の評価をしなくてはならないと考えただけで心理的プレッシャーを感じ、ついには身体に変調をきたす人もいる。内容が開示されない査定などという評価システムが、暗いイメージをつくり出してきたのかもしれない。」

これが、これからの賃金を決める要素だ

「貢献度は、
貢献度=その仕事の役割の大きさ×役割の達成度
で測定される。そのためにも、何がその仕事の期待成果かが、明らかにされなければならない。
アメリカをはじめとする多くの国々では、この点の分析が進んでおり、フォーチュン五〇〇社をはじめとするほとんどの大企業では、きちんとした職務分析ができており、・・・」

合理的な判断をとりもどす

「どうもいま日本が感じている「体調不良」は、戦後の日本を振り返るだけのカルテでは、間に合わないようだ。明治の初め、あるいは幕末にまでさかのぼってカルテをひっくり返さなければいけないような気がする。もう一度日本の経済システム、日本的資本主義を考え直してみることが必要なのではないか。・・・・・
せめて何が問題で、それをどういう方向に変えていけばいいのか、いま考えられるものだけでも整理しておきたいと思う。基本的なものをあげるだけでも、ざっと次のような点を検討し、変えていく必要があるだろう。

+不足経済型発想の克服
+一国資本主義システムから国際資本主義対応システムへ
+心配型資本主義から信頼型資本主義へ
+過剰経済対応型人事システムへの移行
+成果と報酬における時差の解消
+過剰経済対応型労働組合の構築
+人材流動化の促進
+定年と年齢対応型賃金の廃止
+事業の計画・実行・評価の徹底
コーポレートガバナンスの確立