*[本]ダ・ヴィンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉

ダ・ヴィンチ・コード〈下〉

ダ・ヴィンチ・コード〈下〉

風邪を引いて家に閉じこもったので、去年読んだ「ダ・ヴィンチ・コード」を読み返してみた。

黄金比

「ラングドン黄金比フィボナッチ数列から導き出されることを説明した。その数列は、隣り合うふたつの項の和がつぎの項の値に等しいことで名高いが、隣り合うふたつの項の比がある数へ近づいていくという性質も持っている。その数こを黄金比すなわち約1.618だ。
その摩訶不思議な性質についての数学的な解明はさておき、真に驚嘆すべきは、黄金比が自然界の物事の基本的な構成に深くかかわっていることだと、ラングドンは説いた。植物や動物、そして人間についてさえも、さまざまな比率が不気味なほどの正確さで1.618対1に迫っている。」
「1.618。ほなにも例をあげようか。肩から指先までの長さを測り、それを肘から指先までの長さで割る。黄金比だ。腰から床までの長さを、膝から床までの長さで割る。これも黄金比。手の指、足の指、背骨の区切れ目。黄金比黄金比黄金比。きみたちひとりひとりが神聖比率の申し子なんだよ。」

シオン修道会

シオン修道会の考えによると、コンスタンティヌス帝とその後継者である男性の皇帝たちは、聖なる女性を公然とこきおろし、女神を永久に消し去ることで、母権的な異教社会から父権的なキリスト教社会への転換をなしとげたという」

イエス・キリストは恐るべき影響力を備えた歴史上の人物であり、おそらく古今東西を通して最も謎に満ち、霊的な力に富んだ指導者だった。預言にあるメシアとして、その教えは生きつづけ、多くの王を放逐し、何百万もの人々を導き、新たな思想を生み出した。ソロモン王とダヴィデ王の末裔であるイエスは、ユダヤの王たる正当な権利を持っていた。各地にいた数千の信者がその生涯を記録に残したのも当然だ。・・・
新約聖書を編纂するにあたって、八十を超える福音書が検討されたのだが、採用されたのは、それに比すればごくわずか−−−マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの各伝だけだった。」

コンスタンティヌスがイエスの地位を押しあげたのは、死後三世紀もたってのことだから、その時点で、人間としてイエスの生涯を記した数千に及ぶ文書がすでに存在していた。歴史を書き換えるには大胆な一撃が必要であることを、コンスタンティヌスが知らなかったはずがない。そして、キリスト教史上最も大きな意味を持つ瞬間が訪れた。・・・
コンスタンティヌスは資金を提供して新たな聖書を編纂するよう命じ、イエスの人間らしいい側面を描いた福音書を削除させ、神として記した福音書を潤色させた。以前の福音書は禁書とされ、集めて焼却された。」