1時間走れればフルマラソンは完走できる

レーニング効果を高めていくためには、運動→疲労→休養→回復(超回復)→運動・・・というサイクルが必要だということを理解してください。運動後の休養期間に起こる「超回復」という私たちのからだが持っている素晴らしい能力が、マラソンを走るためのからだをつくってくれます。そのため、休養もトレーニングの大切な一部なのです。

ラソンのペース感覚とはどういうものでしょう。

ペース感覚には、
(1)いかなるレースにおいても自己の能力・状況を的確に把握し、ペース配分を決定できる能力
(2)時計だけでなく、からだの状態を把握しながらペースを制御できる能力
(3)変化の少ない正確なペースで走れる能力
があります。

レース本番前に走る距離はハーフ(約21キロ)以上走る必要はないとされていますが、本当に走る必要はないのでしょうか?

完走時間を3時間半〜5時間台に設定するなら、本番前にハーフ程度の距離を走っていれば十分です。

心拍数と走り

運動経験のないマラソンビギナーにとって、心強いコーチとなってくれるのが心拍数でしょう。からだの声としての主観的な感覚を、客観的にサポートしてくれるのが心拍数です。
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一般的に最高心拍数の50%の運動強度の運動を続けることで、心肺機能の向上を図ることが可能です。
最高心拍数の求め方として「220−年齢」という式があり、この式を用いれば、60歳の最高心拍数は160拍、30歳の場合なら190拍になります。
しかしながら、実際には加齢による最高心拍数の低下は人によって異なり、よく運動している人ほど緩やかで、ランナーなどは「220ー年齢×0.8」ぐらいが妥当です。

運動強度と心拍数の関係

最大心拍数(A)−安静時心拍数(B)=予備心拍数(C)
運動強度70%:予備心拍数(C)×0.7+安静時心拍数(B)
運動強度60%:予備心拍数(C)×0.6+安静時心拍数(B)

有酸素運動無酸素運動を区別する目安は運動強度です。強度が軽いとき(60%強度以下)はおおむね有酸素運動で、強度が高くなると無酸素運動へと移動します。
レーニングをすることによって有酸素運動の限界の強度が上がります。一流ランアーは、80〜90%の強度でも有酸素的に運動を遂行できることがわかっています。一般の方でも、マラソンを走れるようになる頃には、その限界値はおそらく70%以上に改善されていることでしょう。
したがって、トレーニング当初は60%前後の心拍数を目安に、トレーニングが順調に進めば70%前後の強度を目安に走ってみてください。
運動強度=予備心拍数