クラウド・コンピューティング

クラウドとは何か

2006年8月、グーグルの最高経営責任者(CEO)のエリック・シュミット氏は、米カリフォルニアで開かれた「サーチエンジン戦略会議」の中で、次のような発言を行なった。
「我々は、まさにいま新しいモデルに直面しています。ですが、それがどのくらい大きなチャンスをもたらすか、理解していません。(中略)PCかマックか、携帯電話かは無関係です。”雲”のような、巨大なインターネットにアクセスすれば、その利益、恵の雨を受けられる時代になっています。」
このスピーチの中に登場した「雲」という言葉から、シュミット氏はこうしたコンピューターのあり方を「クラウド・コンピューテイング」と呼んでいる。

クラウドは「(ソフトウエアの)サービス化」「(ハードウエアの)ボーダレス化」「(データなどの)分散」「(保存のための記憶装置や処理のための演算力の)集約」といった四つの要素からなる。
クラウドは、最初から方向性を持った「技術」ではなく、それぞれ独立して発展した様々な技術革新や技術動向の生花が現れた、一つの「現象」である。