金哲彦のマラソン練習法がわかる本

会話しながら走れるのが最適なスピードだ。フルマラソンでの完走をめざす初心者であれば、1kmあたり7分〜8分のペース。
強度の低いトレーニングだが、ランニングの基本となる筋力をつけ、有酸素運動の能力を高める効果が期待できる。

    • LSD(ロング・スロー・ディスタンス)

長い時間、ゆっくりと、長い距離を走るトレーニングのこと。時間と距離が長くないとLSDではない。長く走る分、JOGよりもゆっくり走る。
LSDによって、脂肪が燃焼しやすい身体をつくるのも目的のひとつ。軽い付加を長時間かけることによって毛細血管の発達を促進し、心肺機能を高め、結果的に有酸素運動能力を上げる。初心者であれば、1kmあたり7分から8分のペースでJOGとほぼ変わらないだろう。

    • RACE PACE RUN(レースペース走&持久走)

自分が目標とするマラソン完走タイムから割り出した平均ペースで走るトレーニング。より実践的な練習である。
たとえば、仮にフルマラソンで4時間以内の完走を目指すのであれば、レースでは1kmあたり平均して5分40秒で走るペースとなる。その人の場合の「5kmレースペース走」は、1km5分40秒のペースで5km走るトレーニングになる。

    • WIND SPRINT(WS/ウインドスプリント)

短めの距離を気持ちいいスピードで、繰り返し走るのが、ウィンドスプリント。風に乗るようなイメージで疾走するので、こう呼ばれる。「流し」と呼ばれることもある。
100m〜150mの距離を、少しずつ加速していき、全力疾走の6割から7割くらいのスピードで駆け抜ける。加速しながら50m、スピードをキープして100m走るというようにして、150mを3本〜10本程度を繰り返すのが理想的だ。
この運動は無酸素運動にやや近い。ステップアップには不可欠な、スピード感覚を養うための練習だ。JOGやLSDの練習ばかりだと、どうしてもダイナミックな動きにはならず、フォームが小さくまとまりがちだ。WSを取り入れることで、大きなフォームを身につけよう。

100m〜200mのゆるい坂を、WSの要領でダッシュして上り、JOGで下りてくる。そのスピードは短距離ダッシュのような全力疾走の70%が目安。練習メニューの目標本数をきちんとこなせるスピードで行う。
短い時間で効果的にスピードとスタミナ、パワーを養えるので、時間がないサラリーマンの方にもオススメのトレーニングだ。