明治維新という過ち

目次
第一章 「明治維新」というウソ
第二章 天皇拉致まで企てた長州テロリスト
第三章 吉田松陰司馬史観の罪
第四章 テロを正当化した「水戸学」の狂気
第五章 二本松・会津の慟哭
第六章 士道の終焉がもたらしたもの

坂本龍馬という男は、長崎・グラバー商会の”営業マン”的な存在であったようだ。薩摩藩に武器弾薬を買わせ、それを長州に転売することができれば、、彼にとってもメリットがある。グラバー商会とは、清国でアヘン戦争を推進して中国侵略を展開した中心勢力ジャーディン・マセソン社の長崎(日本)代理店である。この存在が「薩長同盟」の背景に厳然とある。朝敵となった長州は武器が欲しい、薩摩は米がほしい・・・この相互メリットをグラバー商会が繋いだ。薩摩は永年密貿易の経験があり、長州は口では「攘夷断行!」と喚いてはいたが、既に秘密留学生(井上聞多伊藤俊輔がこれに含まれている)を送りだしていたほど共に幕府の禁令を無視する存在であった。つまり、薩摩小松帯刀、長州桂小五郎が重視したのはグラバー商会であって、グラバー商会の利益を図る龍馬が「薩長同盟」に立ち会うようになったのは極めて自然な経緯ではなかったか。私はそう考えている。