- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/04/16
- メディア: 新書
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会社というもの
「一体、「中間管理職の哀しさ」とは、なんなんでしょう?
中間管理職には、ろくな「権限」はありません。だから、哀しいのです。
権限があれば、「命令」も出来ます。でも、あなたにはあまり「権限」がありません。「部下」を持っていながら権限がなく、その権限は「あなたの上司」が持っている。あなたは「上司」になったのに、「上司のピラミッド」の一番下にいるだけのあなたは、「あなたの上司の部下」になっただけで、「自分には部下がいる」が実感できない出来ないのです。その実感のなさこそが「中間管理職の悲哀」と言われるものですが、実は、そんな風に考えるあなたたは、誤解をしているのです。どんな誤解かというと、「上司とは命令する者である」という誤解です。」
最大の問題は、現場と会社の分裂だ
「私は、日本の会社の最大の問題は、「現場と会社の間にある乖離」だと思っています。昔はそれがなかった−−でもいつの間にか出来た。そのことに気づかず−−あるいは薄々気がついていて、でもそれをそのまま放置して来た。
官の組織は現場の声を聞かなくてもいい
「「官の組織が現場の声を聞く必要がない」というのは、官僚がその仕事の範囲を法律で定められ、それに基づいて動いているからです。どう動くのかは「上」が定めることで、官僚の仕事は、「上」から下がってきた任務を、忠実に果たすことだけなのです。」