- 作者: 小川浩,上田一吉,四家正紀
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2005/02
- メディア: 単行本
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メッセージング
従来の企業サイトの代替としてブログを位置づけようとすると、ブログの持つ「個人の声による親しみのある表現」という特性を活かすことができません。ブログは、従来の企業サイトを補完しながら、今までは難しかった「企業と個人との緩やかな関係性」を構築するツールとして位置づけるというのが、筆者の主張です。
本書では、「緩やかな関係性」の中でも、発信者が自ら積極的に情報を訴えるブログの特徴を「メッセージング」と名づけました。「Webコンテンツ」では、情報の受けてがアクセスしてくれることをじっと待つニュアンスがあるのに対し、「メッセージ」はあくまでも発信側が特定の意図を持って、受信者に対して積極的に働きかける、情報訴求の形です。
その代表が「社長ブログ」です。企業の「メッセージング型」ブログ活用は、この「社長ブログ」から始まったとも言えるからです。「誰が」ライターの設定
ブログは個人の語り口を通じて書くことによって、従来の企業Webサイトでは表現しにくい表現が可能なWebサイトです。したがって「誰が」書くのかは非常に重要です。考えられるのは、大きく分けて以下の3つです。
- 社員(経営者、従業員など)
- 架空のキャラクター
- 社外のライター(有名人など)
最も一般的で王道といえるのは社員です。しかし、社内に適切なキャラクターがいなければ、社内、または制作会社など社外の複数スタッフで分担して1つのキャラクターを動かすこともできます。ただし、事前の綿密な打ち合わせと、トラックバックおよびコメントへの対応ルールを決めておく必要があります。
また、企画意図によっては、社外のライターや有名人を使うことも考えられます。PRにおいてはPR誌的な手法として、商品の販売においてはショッピング番組にでてくるテレビタレントを想起すれば良いでしょう。コメント、トラックバックへの対応
コメントとトラックバックはブログの重要な機能であり、特にトラックバックはぜひ実装すべきです。ただし、スパムなどの不正なトラックバックも送信されてくるので、トラックバックは常に監視し、場合によっては切断の処置をとれる体制が必要です。トラックバックがついた際にメールで連絡が来るように設定し、これを複数の担当者が受信できるようにしておけば良いでしょう。
コメントについては、メインとなるターゲットがトラックバックに慣れていなかったり、よりコミュニティ的な側面からブログを活用したい場合に利用します。トラックバックよりもさらに確実に、不適当なコメントやスパムがついた際、迅速に対応できる体制を作る必要があります。将来的にはTypeKeyのような認証システムにより不正なコメントは減少し、コメント監視の体制もかなり容易になるのではないかと思われます。
こうしたシステム面での対応と同時に、利用者規約を作り、ブログの中に記述しておくことも大切です。特に、すべてのコメント、トラックバックを削除する権限は企業側にあり、一定のルールを元にして削除を行うことがあること、コメントやトラックバック先の内容については企業の責任外であること、この2点はしっかり説明しましょう。ただし、実際には規則どおりがちがちに運営するのではなく、その場の雰囲気を読み取って臨機応変に適切な対応を心がけるべきです。